フルタ製菓のブログ終了で考える、企業ブログの在り方について。


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ゆるくて面白いとたびたび話題になったフルタ製菓のブログ 「フルタ製菓株式会社 ボツ案 〜オンエア中のTVCMについてダラダラと書くにゃ〜」 が2月末で実質的に連載終了(?)したそうです。「まだ小さい君に、話しておきたいこと」という投稿がバズっていたときに存在を知って以来、面白いなぁと思って注目していたので残念です。

本日をもって、このブログは、キャンペーン期間終了にともない
一度「休息」へと入ります。

え?期間限定キャンペーンだったの???というのが正直な感想なのですが、これをきっかけに企業ブログの在り方について考えてみます。

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企業ブログには、社長個人が発信するもの、企業広報担当者が発信するもの、ブランド・製品担当者が発信するものなど、いろいろな種類があります。目的は企業のイメージアップや認知促進が考えられます。

ただ、もともとかなり知名度がある社長でもない限り、一般企業のブログは取引先と就活生と関係者(社員)くらいにしか、なかなか読んでもらえないのが現実なのではないかと。それでもブログはほとんどお金がかからないからいいじゃないかと思われるかもしれないですが、ブログを書く労力を考えるとどこまで時間対効果があるのか不安になります。

フルタ製菓のブログは、WEB上で話題になりやすい面白ネタや「いい話」系のネタをセンスよく発信することで、ソーシャルメディアで大いに拡散されました。かなりの企業イメージアップ効果や認知促進効果があったのではないかと思われます。

私ははじめ、プロフィールのところに社長の画像が掲載されているので、社長本人が書いたものだと思い、「フルタ製菓の社長って面白い人だな!」と感心し、「そんな面白い社長がやってる会社の製品だったら買ってみたいな」と興味を持ちました。

で、調べてみると、フルタ製菓の現社長は2012年8月に就任されたとのこと。

フルタ製菓、新社長に古田盛彦氏が就任 (日本食糧新聞)

なるほど。フルタ製菓のブログは2012年8月31日にスタートしているので、新社長の顔を売り出していくことがひとつの目的だったのかもしれないですね。

私自身、「面白い社長だなー」と思ったし、顔写真が印象に残ったので、目的は達成されたように思います。ただ、最終的に「キャンペーン終了なのでブログも終了です」といわれてしまうと、「あ、やっぱりあくまでキャンペーンであって社長本人が書いていたわけじゃなかったんだな。きっと、どこかの代理店が運営してただけなんだな」と興ざめしちゃいます。ちょっと、がっかりです。(もし社長が書いていたとしても、もうそう思えない。)

当社の場合は、社長も社員もブログを書いています。

フルタ製菓ほど異様にバズを起こせるような内容が発信できているわけではないですし、あくまで個々のペースで書いているのでそこまで注目されるわけではありませんが、無理のない範囲で、等身大で、継続することが重要だと感じています。そうすることで、イメージアップと認知促進だけでなく、SEO対策やWEBリテラシーの向上に効果が出ているので決して無駄にはなりません。

フルタ製菓のように一時的にバズらせても、社長本人や社員本人が発信しているわけではなく本来の姿と異なると受け手に思われてしまうような施策は、長期的にはあまり好ましくないのではないでしょうか。

とにかく一時的にでも顔を売りたい!ということであればいいのかもしれないけれど、お客様との関係が長期的に続く消費財を扱う企業であれば、企業とお客様との信頼関係って時間をかけて築かれていくのが理想です。一時的に面白い投稿をするのも大事だけれど、同時に細くても長く継続することも重視していきたいなと改めて思ったりしたのでした。

(要は、連載終了がしいってことだにゃ。)

 

#2013年3月26日追記

再開するらしいですね。ライターさんと契約更新したってこと?

まずいなあ・・・。 - フルタ製菓株式会社 ボツ案


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それでもやっぱりただただ面白いWEBキャンペーンをやりたいWEB担当者に提案する、こんなKPIいかがですか。


E146_iceteatoraimunojinjya500-thumb-750x500-2571過去のエントリーで、FacebookやTwitterでお金をかけて「ただただ面白いキャンペーン」をすることは、相当なお金の余裕がある場合以外はやるべきじゃないと書きました。

でも、ぶっちゃけWEB担当者やWEB系代理店は面白いキャンペーンやってバズを起こしたいですよね!他社が面白いキャンペーンをやっていると、無駄なお金つかってるなーと思いつつ、ちょっとうらやましかったりするのが本音です。

キャンペーン企画に行き詰まった時に刺激を貰える、海外Fbキャンペーン事例8選+国内事例2選まとめ

直接的な売上にはつながらない。起こせるのはバズだけ。
そんな「ただただ面白いキャンペーン」を企画して、社内で実施承認をもらえるようにするためにはどうしたらいいかなぁと「認知促進」以外のKPIを考えてみました。

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(1)LAWSON(ローソン)の場合

いきなり大企業の話になってしまいますが、コンビニエンスストア・ローソンの白井明子氏がとあるWEBセミナーで仰っていたことが印象に残っています。(※たしか一昨年くらいのセミナーだったので、今は違うかもしれません。)

ローソンは定期的な企業イメージ調査の際に、ローソンに対して「革新的」というイメージを持っているかどうかを調査するそうです。その結果をKPIとし、「革新的」な企業イメージを促進するためにWEB施策を行っているんだとか。

だから、まだ市民権を得ていないような新しいソーシャルメディアも積極的に活用されているんだなぁと納得しました。

この場合は「革新的なイメージを目指す」という会社としての大きな方向性が必要なので簡単なことではないですが、「競合他社と差別化するには革新的な企業イメージが必要です!」とWEB担当者として上に提案してみるのはひとつの手かもしれません。

こういう環境になったら、かなり動きやすくなりますね。中小企業の場合、企業イメージのためには大した予算かけられないだろうとも思いますが。

 

(2)営業サポートという視点

WEB担当者は、ついつい「WEB上でどうやって売上につなげたらいいか」ということに注目しがちですが、WEB以外の売上に間接的につなげるのも大事な視点だと思っています。

社内調整は大変ですが、リアル事業のほうの営業担当者と良好な関係をつくり、リアル事業の取引先にアピールできるネタとしてWEBキャンペーンを提案してみるのはいかがでしょうか。

その際、リアル事業の取引先や営業担当者はそこまでWEBに詳しくない可能性が高いことを考慮する必要があります。どのようなメディアなのか、そのメディアでキャンペーンを行うことがなぜスゴイのかということを分かりやすく簡潔に説明しなければなりません。

このような際には、「業界初」みたいなキャッチーな謳い文句が効果的かもしれないですね。やったことに意義がある、みたいな説明にしておくのがよいかと。それで取引先に興味をもってもらえるようになったら、雑誌広告や交通広告などにまわす予算をWEBにもまわしてもらえるようになる…といいなぁ。

弊社の場合は、Shufoo!なんかはその第一歩としてうまく使わせていただいてます。WEBにあまり詳しくないけれど「新聞の折込チラシ」には親しみがある取引先が、納得しやすい媒体です。正直なところ、WEB担当者としてはそこまで乗り気になれない企画ですが、これをきっかけにWEBでの集客に興味をもっていただけたらいいなと思っています。

 

(3)勝手にやっちゃう

これはあの、まったく解決方法になっていないのですが、社内で認められないなら勝手に個人でやっちゃうという考え方。WEBのいいところに低予算から何かができるってことがあるので、リスティング広告とか、ちょっとしたキャンペーンだったら、個人的に動いてみちゃうのもアリだと思ってます。

自腹をきってやったとしても、数千円レベルの自己投資として考えればいい経験となりますし、決してマイナスではないのではないかと。何もやらないでいるよりはずっとマシです。

このブログもそんな気持ちで完全に個人的に運営しています。


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実力あるWEB制作会社ほど陥りやすい、メーカー発注のコンペで嫌われる提案。


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化粧品メーカーでWEB担当をしている私のお仕事のひとつに、ブランドサイトの制作があります。WEB制作業者と社内のブランドマネージャーとの間に入って調整しながら、お客様に製品を理解していただき、製品を使いたいと思っていただけるようなブランドサイトを作ることを考えています。

先日、新しいブランドサイトを制作するにあたって、発注先WEB業者を選定するためのコンペを実施しました。そのときに「惜しいな」と思った出来事がありました。

コンペ実施にあたって、事前の打ち合わせは結構きちっとしているほうだと自負しています。ブランドの世界観や打ち出したいポイント、イメージ、キーワード、用意できる素材、欲しいコンテンツ、KPI、理想とする参考サイトなどを挙げた上で、各WEB制作業者さんにご提案をいただく流れです。

ご提案くださったうちの1社であるA社さんのお話です。

サイトの作りやコンテンツのまとめ方、SEO対策する際のキーワード選定など、かなりしっかり考え上げられた内容のご提案で、すごくいいなと思っていたのですが、デザインを見た瞬間に凍りつきました。

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製品写真以外はこちらが提供したイメージ写真やイラストなどの素材を一切使わず、全くオリジナルなデザインだったんです。

すっごく洗練されたカッコいいデザインではありました。個人的にはかなり好きな感じです。でも、このデザインはブランドマネージャーには見せられない!と頭を抱えました…。

もともと用意されていたイメージ写真やイラストは、ブランドマネージャーがブランドの世界観を表現しようと各種販促物用に作ったものです。それと全く異なるデザインをゼロベースで提案するっていうことは、ブランドマネージャーからしてみれば「センスを否定された」と捉えてしまう可能性があります。

WEB制作業者さんは、WEB上でいいモノを作りたい!というお気持ちが強いのかなと思うけれど、メーカー側としては製品と店頭と他メディアとWEBの全体を踏まえて動いているのでWEBだけいきなり全くテイストの異なるクリエイティブにされると抵抗があります。

WEB担当である私はいいとしても、ブランドマネージャーが何というか…。

そのあたりの社内事情まで分かっていただけたら完璧だったので惜しい!と思った事例でした。まぁ、なかなかそこまで考えないですよね。

結果的には、私からブランドマネージャーに「デザインは調整するからここにしましょう」と猛烈プッシュしてこの業者さんに決定しました。これから調整がんばります。


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ブログ始めて2週間で10000PV超え。ただただバズ起こしても意味がないことを身をもって経験しました。


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新規ドメイン取得してブログを始めてから、約2週間が経過しました。

イケダハヤトさんのブログ「月収52万円のプロブロガーが教える、ブログ記事のアクセスを爆発させる8つの方法」や、永江一石さんの「ノウハウ公開! 自分のブログをたくさんの人に読んでもらうには・・初級編」のような記事や、コグレ マサトさんとするぷさんの「必ず結果がでるブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える”俺メディア”の極意」を参考に頑張ってみた結果を記録しておきます。

この2週間のアクセス状況はこんな感じでした。

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ブログを始めてから1日あたりの訪問者数がほぼ1ケタの日が1週間以上続きました
 
誰も見てくれないなら何のためにブログを書いているんだろうと気持ちが完全に萎え始めていたところで、永江一石さんに記事をお薦めいただいて流れが一変。

いつもブログやメルマガを愛読させていただいている永江一石さんにお薦めしていただけるなんて驚きすぎて、SATC見ながら飲んでたビールを吹きました。

そして、おそらくそれを見て私のブログを見てくださったNHN日本法人社長の森川亮さんが別記事の写真についてツイート。

そしてその記事でFacebook投稿を引用させていただいた家入一真さんもツイートしてくださり、

他にも恐れ多いことにたくさんのすごい方々にブログを紹介していただいて、2月18日にはそれまで1ケタだった訪問者数が4ケタに達しました。

イケダハヤトさんの「月収52万円のプロブロガーが教える、ブログ記事のアクセスを爆発させる8つの方法」のうち、「2. インフルエンサーを狙う」がうまくいったパターンです。

そして翌日に書いた「これからECを始めるなら、楽天よりもBASE(ベイス)で開店すべきじゃないですか。」をまたしても家入さんや多くの方がツイート・シェアしてくださって、2月19日も4ケタ達成

こちらは「2. インフルエンサーを狙う」「5. 賛否が分かれる(思わずコメントしたくなる)記事を書く」の合わせ技という感じでした。

でも、その後は順調にアクセス数が減っていまは3ケタ前半になっています。このままだと、数日以内に2ケタになりそう。

そこで思ったのは、ただただバズを起こしてアクセス数を急増させてもそれだけでは意味がないということです。

アクセス数が一時的にでも急増してよかったことは、ブログを書くモチベーションがあがったこと。バズった記事を多くの人に読んでいただき、ご意見をいただけたこと。

でも、バズった「その記事」は読んでもらえても「その後の記事」が読んでもらえるわけじゃないんだなということが今回よく分かりました。

アクセス数を伸ばしていきたい場合、理想的なブログは検索からの流入が多い状態だと思うのですが、いまは検索からの流入はほとんどありません。

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検索からの流入が増えない限り、バズる記事を書き続けなきゃアクセスは伸びません。そして、そんな記事って毎日毎日書けるもんじゃないです。だから、検索からの流入が見込めそうな記事をコツコツ書き溜めていくしかないですね。

つまり誰でもすぐにここ(ビッグキーワード)を狙って書けばアクセスが取れるわけでは無いのですが、たまに当たりが出ることがあると、そこからは長期にわたってアクセスを確保できます。これを積み重ねることによって、数年のうちに徐々に最低ラインのアクセス数が増加していき、たくさんの人に読んでもらうことが可能になってくるわけですよ。
(「ノウハウ公開! 自分のブログをたくさんの人に読んでもらうには・・初級編」より)

おかげさまで萎えかけていたブログを書こうというモチベーションが再浮上してきたので、今後も地道に書き続けていこうと思います。

 

【ご参考までに…】

↓こちらは具体的なテクニックがいっぱいで、とても参考になります。


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フジテレビ「15秒シアター」にみる【得体の知れないモノ】の魅力。情報は出せばいいってもんじゃない。


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「検索したらすぐ分かる世の中は面白くない。疑問がすぐ解決するなんてつまらない。調べても分からない、その瞬間にしか出逢えない、【得体の知れないモノ】があってもいいじゃないか。」

と、日本を代表するクリエイティブディレクターの高崎卓馬氏が仰っていました。

高崎氏はフジテレビ広報のお仕事で、「15秒シアター」というキャンペーンを実施しているそうです。

番組表にものっておらず、いつどこで流れるか分からない、突然フジテレビで放映されるたった15秒のドラマ。通常であればティザー的なものや情報をWEB上に用意するけれど、この企画に関してはWEB上でもどこでも、あえて徹底して情報を伏せているそうです。

番組ではなくて、コマーシャルの枠を使い、オリジナルのショートドラマを
放送しようという新しい試みで、番組表には載らずいつ、どの時間帯に
放送されるかも分からない、かつてないスタイルのドラマ。
(「フジテレビが贈る15秒のストーリー」より)

検索しても分からないとなると、さらに気になってしまうもの。「あれは、何?」と情報を求めてTwitterでつぶやいたり、情報をまとめたサイトが作られたり。自然発生的に噂になり、情報が広まり、大きなバズになっているのだとか。


いつ出逢えるか分からない、という方向性をテレビに取り戻したほうがいい。


これはテレビに限らず、あらゆるメディアでいえることなんじゃないかなと感じていたので、とても興味深いお話でした。

文字や印刷技術が発明されて、録音とか録画とか様々な技術が発達してきたことで、情報は「いつ、どこでも、いくらでも」保存・検索・参照できるようになりました。

でも、脳内に記憶できること以外について、本来のコミュニケーションはフロー型だったはず。そういう本能的なところに回帰することに面白さや居心地の良さを感じる動きがあるように感じます。

くだらないダジャレを言ったり、変顔をしたり、半永久的に残したくないけど、でもいま共有したい情報や感情というものが存在して、そのような感情に沿ったメディアが必要とされてきているのでは。

LINEやSnapChatが注目されるのは、そういう背景があるかもしれません。

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で、そんな流れの中で、中小メーカーだったらどうする?というところですが、製品の情報をWEBで公開しないというのは、さすがに相当な勇気がないとできないです。「実際にお金を払うんだから、買う前にはちゃんと情報収集したい」というのが一般的な消費者心理ですよね。有名な大手企業ならともかく、知名度が今ひとつな中小メーカーはしっかりWEBで情報公開しないと信頼を損ないます。

発売前のティザーとしてだったら考えられるかもしれないです。メーカーからの情報発信を限定して、一部の人にのみ先行的に情報や製品を提供して周りにクチコミしてもらうとか。うーん、でもこうやって書いてみると、それは大して目新しくない気がします。

いまやっているのは、製品につけるノベルティ(おまけ)についての情報を公開しないでおくという施策。店頭で偶然見かけた方や、実際に手に入れた方がFacebookやTwitterで「製品を買ったら、こんなノベルティがもらえた!」と投稿してくださっています。それを見て、「私もほしい!」「どこで買うともらえるの?」とお客様同士で話題が広がっています。

やみくもに何でも公開することは、必ずしもお客様のためにならないかもしれません。公開すべき情報と、あえて公開しない情報を判断する能力が重要になってきそうですね。


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クックパッドの何がすごいって、「つくれぽ」です!ということを、ソーシャルメディアにおける3つの行動特性で解説。


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クックパッドが素晴らしいサービスであるということは今さら私が言うまでもないのですが、WEBに詳しくても 「実際には使ったことがない」 という方が存在することを発見。主に男性。まぁ、女性向けなサービスですものね。

私自身クックパッドをちゃんと使い始めてから日が浅いのですが、クックパッドユーザーになって初めて気付いたことがあります。クックパッドをちゃんと使ったことがない方に声を大にしてお伝えしたい。

 

クックパッドの一番すごいところは、「つくれぽ」です。

 

「つくれぽ」的なサービスにはソーシャルメディアを考える上で押さえておきたい大事な要素が込められていそうなので、今日は「つくれぽ」の魅力について考えてみます。

 

「つくれぽ」とは、クックパッド上のレシピをユーザーが実際に作ってみた感想を写真つきで投稿するもの。

レシピサイト「クックパッド」で、ユーザーが実際作ってみた感想を写真でリポートする「つくれぽ」は、レシピの人気のバロメーターの1つになっており、つくれぽがたくさん付いたレシピは、定番レシピとして信頼されている。
(「クックパッド公式「つくれぽ1000人超えレシピ」」より)

それだけ聞くと大したことがないような気がしますが、ソーシャルメディアにおける行動パターンを考えるとその存在の魅力がわかります。Katie Paine氏はエンゲージメントレベルを5パターンに分けていましたが、ここでは行動に着目してざっくり3パターンで見てみます。

 

【ソーシャルメディアにおける3つの行動パターン】

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(1)自分から積極的に発信する「バリバリ情報発信タイプ」

(2)発信する人に対してアクションする「盛り上げフォロワータイプ」

(3)ただ見てるだけの「さすらいの通りすがりタイプ」

 

クックパッドでいうと、「バリバリ情報発信タイプ」はレシピを投稿する人。「さすらいの通りすがりタイプ」はレシピを見るだけでWEB上では何もアクションせずに離脱する人。

盛り上がるサービスを構築する上で、まず大事なのは「バリバリ情報発信タイプ」が情報発信したくなる場を作ること。有益な情報が集まれば、人は寄ってきます。

ただ、それだけだと「バリバリ情報発信タイプ」は新しいモノ好きである場合が多いこともあって、時間の経過とともに飽きられて廃れていってしまう可能性が出てきます。そこで極めて重要になるのが、「盛り上げフォロワータイプ」

「盛り上げフォロワータイプ」は自分からは発信しませんが、発信している人に対して何らかのアクションをすることには抵抗がない人たちです。

Facebookでいえば、「いいね!」する人。Amazonや@cosme(アットコスメ)でいえば、他人のクチコミ・レビューに対して「参考になった」ボタンを押す人。

自分から何か新しいことを発信するわけではないですが、誰かが発信したものに対してアクションを起こすことでサービスを活性化します。「盛り上げフォロワータイプ」の存在が「バリバリ情報発信タイプ」の情報発信欲を駆り立て、サイト自体の盛り上がりにつながります。

クックパッドの「つくれぽ」は、「盛り上げフォロワータイプ」を集め、巻き込み、つなぎとめて、サイトの活性化を促すシステムなんです。

「つくれぽ」の投稿はとても簡単。アプリ内で写真撮影し、コメントとともに投稿するだけ。タグ付けとか、写真加工とか、丁寧な文章とかは必要ありません。ここでのポイントは、コメントは32文字までだということ。「おいしくできました!ありがとう。」的なごくごく簡単なひとことでいいので、全く手間になりません。

そして「つくれぽ」を登録すると、レシピを登録した人からコメントがつきます。「つくれぽ」はレシピページに残り続け、その数がレシピの人気のバロメーターになります。だから、レシピ登録者は積極的に「つくれぽ」に対して御礼コメントをします。

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「盛り上げフォロワータイプ」は自分から発信しなくても、こんな簡単なアクションでレシピページに参加することができるんです。

そして自分が「つくれぽ」を投稿したレシピは自分のマイページに蓄積されていくので、「こんな色んなレシピ作ったんだなー」と個人的にもコレクション気分と達成感が味わえる。だから、さらに「つくれぽ」を投稿したくなるんです。

簡単に参加できるのに、ちゃんと参加してる感があって、また参加したくなる。これって素晴らしいスパイラルだなと思います!「盛り上げフォロワータイプ」を大切にすることが、長期的なサービス活性化につながるのではないでしょうか。

例えばネイルデザインを紹介するサイトや、ヘアスタイルを紹介するサイトでも同じようなことができたら面白そうです。そして、そうやって長期的に盛り上がる仕組みがしっかりできてるサイトならお金を払って出稿したいなと思います。あったら、教えてください!

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本日のブログは以下のサイトを参考にさせていただきました。

営業利益率50%!クックパッドの「七つの秘密」
レシピサイトNo.1「クックパッド」開発者にお話を聞いてきました(前編)
生きた消費の兆しを掴む指標 ※Katie Paine氏が唱える5段階のエンゲージメントレベルについては、こちらの記事が分かりやすかったです。
5 LEVELS OF ENGAGEMENT ON SOCIAL MEDIA

 

 
 


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簡単!効果的にFacebook・Twitterへ投稿したかったらおさえておきたい7つの基本ポイント


SOCIAL MEDIA WEEK2日目。
セールスフォース・Eddie Cliff氏が指南する、効果的にFacebook・Twitterへ投稿したかったらおさえておきたいポイントをまとめてみました。

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いつ投稿すればいいの?

Facebookは夜間(午後8時〜午前7時)に投稿し、Twitterは日中(午前8時〜午後7時)につぶやこう。

・Twitterのエンゲージメント率は平日よりも休日のほうが高いが、ユーザーは平日のほうがアクティブなので平日につぶやいたほうが効果的

 

何回投稿したらいい?

・Twitterの場合、1日に5回以上つぶやくとフォロワーが減る。

・なので、Twitterは1日1回〜4回の投稿がよい。

 

どんな内容を投稿したらいいの?

・なるべく簡潔に。Facebookの場合、80字を超える投稿をちゃんと読んでくれる人は多くない。

写真は効果的。いい写真を投稿しよう。

・「コメントしてね」とか「いいね!してね」とアクションを促すような文言を入れるとリアクション率が48%改善。

 

ターゲットや目的にもよりそうですが、参考にしてみます。

もし少しでも参考になったら、はてブしてくださいね!w


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Twitterの企業アカウントは絶対に必要だと思う、大切な3つの理由。


SOCIAL MEDIA WEEKでTwitter Japan代表・近藤正晃ジェームス氏のお話を伺いました。
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内容はTwitterが何を目指しているのかというお話で、「新たなライフラインになること」「アメリカ大統領選におけるTwitterの役割」などをご紹介いただきました。周知の事実ではありますが、グローバル化とか情報化とかいわれる今の世の中で、Twitterはますます無視できない存在です。

あまりにも大きなお話だったので、直接的には中小メーカーのWEB担当者には関係のないお話ではありましたが、でもやっぱり中小メーカーにとっても 企業用Twitterアカウントは絶対に必要 だという考えは変わりません。主な理由を3点にまとめて挙げてみます。

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(1)お客様とのエンゲージメント強化

お客様と直接やりとりができること、そして、フォローし合うことで 強くはないけれど継続的な関係を築ける ことがTwitterの魅力です。特に製品を小売店に卸している場合、購入したお客様とやりとりする場がほとんどないので、Twitterという場は貴重です。

「今日、製品を使ったら彼氏にほめられた!」というようなお客様の日常のつぶやきに接することで、ゆるく、じわじわとエンゲージメントを強化しています。

 

(2)ネガティブコメントに対するフォロー

エバーノートCEO フィル・リービン氏が「顧客の声を素直に聞いてはいけません」で仰っているとおり、そしてまた全ての企業アカウント担当者が経験している通り、お客様からはネガティブなコメントもたくさん届きます。

普通は、フィードバックを読んでいくと、「苦情、苦情、また苦情…」となってしまうでしょうね。中には思わず目をそむけたいものもあります。

ネガティブなツイートは、「ご期待にこたえられず申し訳ない」と謝罪をした上で「今後の開発時に参考にさせていただきます」と前向きな姿勢を示すことで建設的なコメントへと昇華させます。放置するよりはプラスなはず。

ただただ叩きたいだけ、というような感じで絡んでこられるお客様は別として、少なくない割合のお客様が「一部が不満だっただけで、全てが嫌いなわけじゃないので頑張ってください!」と前向きなリプライをしてくださいます。

※弊社は扱っている商材の関係上、比較的お客様に恵まれているかと思います。

 

(3)社内のモチベーションアップ

たくさんのネガティブツイートがありますが、中にはポジティブなツイートもいただきます。「お客様とやりとりする場がほとんどない」という場合、ネガティブな意見だけでなく、実はポジティブな意見も製品開発担当者にはあまり届いていません。

なので、ポジティブツイート集を作って製品開発担当者や営業担当者にメール配信しています。リサーチでは見えてこない、直接的なお客様からのナマのお褒めの言葉はモチベーションアップにつながるようです。

もちろん、ネガティブツイートも毒抜きをした上で建設的な意見として担当者に伝えています。

 

以上3点を主な理由として、Twitterの企業アカウントは今後も運用を続けてまいります。

ここで記しておきたいのは、積極的な認知促進をしようとはしていないということです。主に製品を使ってくださっている方や興味を持ってくださっている方とのコミュニケーション手段として、あまりコストのかからない範囲で活用していきます。

Twitterは、あくまでライフライン。「お客様相談室+α」の存在として考えています。

オワコンとは言わないですが、TwitterもFacebookと同じく、ただただ「バズ起こしてやろーぜ!」みたいなノリのキャンペーンはもういらないかなぁと思ってます。つまらない会社だなって思われるかもしれないけど、遊べるほど予算に余裕ないんで仕方ないです。お金じゃなくて頭つかって頑張ります。

オワコンなFacebookでは、ただただ面白いキャンペーンやればいいという時代はもう終わり、というお話。


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「なめらかな社会」で私たち会社員はどこを目指せばいいのでしょうか。


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SOCIAL MEDIA WEEK初日。

講談社・記念講堂にて、『なめらかな社会とその敵』の著者である鈴木 健氏の講演を聞いてきました。

さすが研究者さんという感じで、数式とかいっぱい出てきて難しいスライドが多かったのですが、超文系な私が理解した範囲でざくっと要約させていただくとこんな感じの内容でした。(はしょりまくってすみません。間違ってたらご指摘ください。)

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国境とか、組織の壁とか、個人の心の壁とか、世の中には色んな壁があるけど、情報技術は様々な壁を乗り越えることができるのだろうか?いやいや、そもそも生命の起源をたどってみると、私たち生命は「壁をつくること(細胞膜とか)」で進化してきたんだから、そこを無視してそんなこと議論できないでしょ。

いまは「個人」と「組織」と「国家」がそれぞれの塊として段階的に存在するけれど、今後はその境界が曖昧になって、なめらかな社会になっていくのではないか。「遊び」と「仕事」の境界も曖昧になっていく。

いまは「個人(individual)」は分割できないとされているが、個人を「分割できる存在」として捉えよう。

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なめらかな社会イメージ

イメージでいうと、単純な壁でパキッと分類されていたものが、切り口が増えることでなめらかになっていくような感じ?この画像だと全然なめらかじゃないですが。

個人と組織の境界は曖昧に。
個人という存在自体は分裂して多面性を持つように。

やはり、組織よりも個人の力が強まっていくという流れみたいですね。「楽天・三木谷社長が注目する次世代サービスが気になるけど、これを自分のお仕事にどうつなげたらいいかなと考えてみました。」で書かせていただいた、WEBを活用することでBよりC、つまり「個」の力が強まっていくというところにつながっていくのかな。

面白いなと思ったのは、「いまのプログラミングできる人が人口に占める割合は、100年前の識字率と同じくらいじゃないか。いずれ、全ての人がプログラミングできるようになるだろう。」という発言。たしかに、そうなるかもしれないですね。私も勉強したいです。

お仕事の都合で聞けなかったけれど、今日のこちら↓ともつながってそう。

個人・共同体・国家が変容していく世界。分人主義で“これから”を考える。

いままでは「どうやって上司に気に入られよう」とか「どうしたら社内で出世できるだろう」とか、目の前のことで頭をいっぱいにしちゃっていましたが、そんなことしてる場合じゃなさそうです。組織に属してぬくぬくしてないで個人の力をつけたほうがいいよー、という警告と理解して、ブログを続けるモチベーションにつなげます。


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これからECを始めるなら、楽天よりもBASE(ベイス)で開店すべきじゃないですか。


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私が勤務している中小メーカーは、基本的にはリアル店舗での流通がメインですが、いちおうECもやっています。WEB上にはいくつか販路があり、楽天市場にもショップをもっています。

最近、楽天の方から「製品のJANコードを登録してください」という催促の電話がありました。商材のJANコードを登録すると『楽天プロダクト』の該当製品ページに表示されるんだそうです。この『楽天プロダクト』というページは2010年からあったんですね。

楽天プロダクトとは、
楽天市場で販売されている製品の詳細情報や、売れ筋ランキング、ショップ別の販売価格を参照できる便利なサービスです。
楽天プロダクト系API提供開始のお知らせより)

楽天プロダクト

面倒くさいからイヤです、的なことを言ってみたのですが、「1品でも2品でもいいからとりあえず登録してください」と言われたので、とりあえず2品だけ登録しました。

これは要は、Amazonの「1商品1ページ制」に対抗してのサービスだと解釈してます。そんな制度名があるのかは分からないですが、1つの商品を販売している店舗がいくつあろうと、その商品の詳細ページは1つしか用意しないAmazonのやり方と似た考え方ですよね。

「各店舗が商品詳細ページを用意しなくていいから、ラクになる」という視点もありますが、結局これは価格競争につながるだけで、低価格を売りにしている場合以外は売る側にとってメリットがないように思います。少なくとも弊社は価格だけで勝負しようとは思っていないので、やっぱりJANコードを登録しようという気になりません。

商材や企業によっては価格競争をがんばってもいいのかもしれないですが、中小企業はそんなことやっても勝てないし、勝ってもそんなにおいしくないから巻き込まれたくありません。

永江一石さんがブログで紹介されていた「ネットで価格比較をするお客さんは来ていただかなくてもいい」というでんかのヤマグチみたいな「重サービス+高価格」が目指すべき姿です。

これからの一つの方向性。「重サービス+高価格」を考えてみよう

で、そんな場合は「楽天スーパーセールやるから半額にしてください!」ってしつこく電話してくる楽天市場でお店をやるよりも、初期費用も月額費用もかからないBASE(ベイス)でお店をやったほうがいいんじゃないかなぁと感じている次第です。

簡単そうですし。

BASE(ベイス) - ネットショップ作成が、今までで1番簡単に。

何よりも、おしゃれですし。

fingermarks

すぐに楽天ほどの流入は見込めないとしても、安くなきゃ買いたくないという人をいっぱい集めるよりもいいような気がします。ちゃんとお客様との信頼関係を築き、高価格でも「ここで買いたい」と言っていただけるお店を目指したいです。理想論でしょうか。

メーカーがBASE(ベイス)でネットショップやることにデメリットがあるとしたら何があるのでしょうか。流入が減っちゃうリスクくらいしか思いつかないのですが、考えが甘すぎるでしょうか。

うまくいくかはやってみなきゃ分からないけれど、月額費用も無料なんですし、1ブランドからでも試してみる価値は大いにあると思ってます。

っていうか、楽天さんはAmazon対策よりもBASE対策したほうがよくないですか。スーパーセールよりも、そっちのほうを期待したいです。


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