実力あるWEB制作会社ほど陥りやすい、メーカー発注のコンペで嫌われる提案。


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化粧品メーカーでWEB担当をしている私のお仕事のひとつに、ブランドサイトの制作があります。WEB制作業者と社内のブランドマネージャーとの間に入って調整しながら、お客様に製品を理解していただき、製品を使いたいと思っていただけるようなブランドサイトを作ることを考えています。

先日、新しいブランドサイトを制作するにあたって、発注先WEB業者を選定するためのコンペを実施しました。そのときに「惜しいな」と思った出来事がありました。

コンペ実施にあたって、事前の打ち合わせは結構きちっとしているほうだと自負しています。ブランドの世界観や打ち出したいポイント、イメージ、キーワード、用意できる素材、欲しいコンテンツ、KPI、理想とする参考サイトなどを挙げた上で、各WEB制作業者さんにご提案をいただく流れです。

ご提案くださったうちの1社であるA社さんのお話です。

サイトの作りやコンテンツのまとめ方、SEO対策する際のキーワード選定など、かなりしっかり考え上げられた内容のご提案で、すごくいいなと思っていたのですが、デザインを見た瞬間に凍りつきました。

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製品写真以外はこちらが提供したイメージ写真やイラストなどの素材を一切使わず、全くオリジナルなデザインだったんです。

すっごく洗練されたカッコいいデザインではありました。個人的にはかなり好きな感じです。でも、このデザインはブランドマネージャーには見せられない!と頭を抱えました…。

もともと用意されていたイメージ写真やイラストは、ブランドマネージャーがブランドの世界観を表現しようと各種販促物用に作ったものです。それと全く異なるデザインをゼロベースで提案するっていうことは、ブランドマネージャーからしてみれば「センスを否定された」と捉えてしまう可能性があります。

WEB制作業者さんは、WEB上でいいモノを作りたい!というお気持ちが強いのかなと思うけれど、メーカー側としては製品と店頭と他メディアとWEBの全体を踏まえて動いているのでWEBだけいきなり全くテイストの異なるクリエイティブにされると抵抗があります。

WEB担当である私はいいとしても、ブランドマネージャーが何というか…。

そのあたりの社内事情まで分かっていただけたら完璧だったので惜しい!と思った事例でした。まぁ、なかなかそこまで考えないですよね。

結果的には、私からブランドマネージャーに「デザインは調整するからここにしましょう」と猛烈プッシュしてこの業者さんに決定しました。これから調整がんばります。


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