先に言っておくと、すべてのFacebookキャンペーンを否定しているわけではありません。ただ、「Facebookで何か面白いことやって話題になったら、すごくない?」くらいの気持ちでお金をかけてまでキャンペーンするのは、もう時代遅れなんじゃないかなとふわっと思い始めています。
そう思っていたところで永江一石さんのこの発言を見て、ますますその考えが強まっています。
目新しいだけで金使ってどうでもいいことやるってバブルの時みたい・・
自分なら顧客がやるっていうのは絶対に勧めない。そんな金があるならもっと他にやることあるだろうと思う。
(2013年2月14日の投稿より)
とりあえずFacebookで面白いことしたくてお金と労力をかけるのは、そうとう予算的に余裕がある場合(永江さんのお言葉で言うところの「バブルの時」みたいな場合)をのぞき、ただの担当者の自己満足になっちゃいそうです。
そんなことを、この期間限定Facebookページ「ホワイトホワイトマガジン」を見て改めて思いました。
このFacebookページは、ホワイトデーまでの1ヶ月限定コンテンツだそうです。
女性誌6誌「ViVi」「with」「VOCE」「GLAMOROUS」「FRaU」「Grazia」が共同で運営し、ホワイトデーの“ホワイト”にちなんだ情報を提供するFacebookマガジン「ホワイトホワイトマガジン」を公開した。
(YOMIURI ONLINE「ホワイトデーにちなんだ情報発信」より)
このホワイトホワイトマガジン、すごい頻度で更新されていて、並々ならぬ気合が感じられます。見たところ、一日に8回は更新されていたりします。投稿内容も、実際に各女性誌の編集長や編集部スタッフ、スタイリストさんなどからの情報をもとに構成されていて、写真もきれいですし、紹介しているモノ自体もさすが魅力的なものばかりでハイクオリティ。
でも…公開から4日目となるはずの本日時点でいいね!数は1000に届かず、各投稿に対する反応も2ケタ。かなりの労力をかけていそうなわりに、この反応はおそらく失敗の域に入るのでは。これから何か秘策をあたためているのかもしれませんが。
YOMIURI ONLINEの記事によると、「ホワイトホワイトマガジンを通じて、女性が欲しいアイテムや気になる美白ケアの情報を発信し、女性から積極的に情報を取得したり、その情報を容易に友人と共有したりできるような、これまでとは違う形のホワイトデーを盛り上げたい」というのが目的だそうです。
でも実際は、S社の美白用化粧品を宣伝することが目的のように見えます。想像するに、雑誌への出稿量を減らして、その予算をWEBにまわそうとしていたS社に対して、出版社と組んだほうがWEBもうまくいきますよ!と言いたくて考えられた企画なのではないかと。
各雑誌のネームバリューを使えばFacebookを使って拡散効果が見込める。Facebookでこんなマガジンは新しいから話題になってバズが起こせる。そんな思惑が見え隠れしますし、出版社側はそうやってS社から広告費を引っ張り出すことができればOKなのでしょうが、正直なところ、このキャンペーンで分かるのはS社のソーシャルメディアリテラシーの低さかと。
だってこれ、どうせやるならSumallyでやるべきじゃないですか?
ただただ、Facebookで何か面白いことやろうっていう単純な発想ではなく、メーカーのWEB担当者ももっとソーシャルメディアのことを勉強して、広告費の無駄遣いをしないように心がけないとですね。自分も気をつけます。