クックパッドが素晴らしいサービスであるということは今さら私が言うまでもないのですが、WEBに詳しくても 「実際には使ったことがない」 という方が存在することを発見。主に男性。まぁ、女性向けなサービスですものね。
私自身クックパッドをちゃんと使い始めてから日が浅いのですが、クックパッドユーザーになって初めて気付いたことがあります。クックパッドをちゃんと使ったことがない方に声を大にしてお伝えしたい。
クックパッドの一番すごいところは、「つくれぽ」です。
「つくれぽ」的なサービスにはソーシャルメディアを考える上で押さえておきたい大事な要素が込められていそうなので、今日は「つくれぽ」の魅力について考えてみます。
「つくれぽ」とは、クックパッド上のレシピをユーザーが実際に作ってみた感想を写真つきで投稿するもの。
レシピサイト「クックパッド」で、ユーザーが実際作ってみた感想を写真でリポートする「つくれぽ」は、レシピの人気のバロメーターの1つになっており、つくれぽがたくさん付いたレシピは、定番レシピとして信頼されている。
(「クックパッド公式「つくれぽ1000人超えレシピ」」より)
それだけ聞くと大したことがないような気がしますが、ソーシャルメディアにおける行動パターンを考えるとその存在の魅力がわかります。Katie Paine氏はエンゲージメントレベルを5パターンに分けていましたが、ここでは行動に着目してざっくり3パターンで見てみます。
【ソーシャルメディアにおける3つの行動パターン】
(1)自分から積極的に発信する「バリバリ情報発信タイプ」
(2)発信する人に対してアクションする「盛り上げフォロワータイプ」
(3)ただ見てるだけの「さすらいの通りすがりタイプ」
クックパッドでいうと、「バリバリ情報発信タイプ」はレシピを投稿する人。「さすらいの通りすがりタイプ」はレシピを見るだけでWEB上では何もアクションせずに離脱する人。
盛り上がるサービスを構築する上で、まず大事なのは「バリバリ情報発信タイプ」が情報発信したくなる場を作ること。有益な情報が集まれば、人は寄ってきます。
ただ、それだけだと「バリバリ情報発信タイプ」は新しいモノ好きである場合が多いこともあって、時間の経過とともに飽きられて廃れていってしまう可能性が出てきます。そこで極めて重要になるのが、「盛り上げフォロワータイプ」。
「盛り上げフォロワータイプ」は自分からは発信しませんが、発信している人に対して何らかのアクションをすることには抵抗がない人たちです。
Facebookでいえば、「いいね!」する人。Amazonや@cosme(アットコスメ)でいえば、他人のクチコミ・レビューに対して「参考になった」ボタンを押す人。
自分から何か新しいことを発信するわけではないですが、誰かが発信したものに対してアクションを起こすことでサービスを活性化します。「盛り上げフォロワータイプ」の存在が「バリバリ情報発信タイプ」の情報発信欲を駆り立て、サイト自体の盛り上がりにつながります。
クックパッドの「つくれぽ」は、「盛り上げフォロワータイプ」を集め、巻き込み、つなぎとめて、サイトの活性化を促すシステムなんです。
「つくれぽ」の投稿はとても簡単。アプリ内で写真撮影し、コメントとともに投稿するだけ。タグ付けとか、写真加工とか、丁寧な文章とかは必要ありません。ここでのポイントは、コメントは32文字までだということ。「おいしくできました!ありがとう。」的なごくごく簡単なひとことでいいので、全く手間になりません。
そして「つくれぽ」を登録すると、レシピを登録した人からコメントがつきます。「つくれぽ」はレシピページに残り続け、その数がレシピの人気のバロメーターになります。だから、レシピ登録者は積極的に「つくれぽ」に対して御礼コメントをします。
「盛り上げフォロワータイプ」は自分から発信しなくても、こんな簡単なアクションでレシピページに参加することができるんです。
そして自分が「つくれぽ」を投稿したレシピは自分のマイページに蓄積されていくので、「こんな色んなレシピ作ったんだなー」と個人的にもコレクション気分と達成感が味わえる。だから、さらに「つくれぽ」を投稿したくなるんです。
簡単に参加できるのに、ちゃんと参加してる感があって、また参加したくなる。これって素晴らしいスパイラルだなと思います!「盛り上げフォロワータイプ」を大切にすることが、長期的なサービス活性化につながるのではないでしょうか。
例えばネイルデザインを紹介するサイトや、ヘアスタイルを紹介するサイトでも同じようなことができたら面白そうです。そして、そうやって長期的に盛り上がる仕組みがしっかりできてるサイトならお金を払って出稿したいなと思います。あったら、教えてください!
本日のブログは以下のサイトを参考にさせていただきました。
・営業利益率50%!クックパッドの「七つの秘密」
・レシピサイトNo.1「クックパッド」開発者にお話を聞いてきました(前編)
・生きた消費の兆しを掴む指標 ※Katie Paine氏が唱える5段階のエンゲージメントレベルについては、こちらの記事が分かりやすかったです。
・5 LEVELS OF ENGAGEMENT ON SOCIAL MEDIA