人生計画を立てる、という行為に潜む罠。


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自己啓発本とかビジネス書とかによく書いてある、「成長するためには計画を立てるべきだ」という話に違和感がありました。「5年後、10年後にどうなっていたいか?」という、”目標とする自分の姿”を明確にし、その目標と現状を比較して、その差を埋めるために年・月・日にブレイクダウンして計画を立てる。そしてその計画を確実に実行していくことで、目標を達成しようというお話。

とても合理的に聞こえますが、最近いろいろなところでこの考え方と異なるお話を聞くことができて、自分の中のもやもやが晴れてきました。というわけで、人生計画を立てる、という行為に潜む罠をそれらのお言葉から探ってみます。

 
(1) 四角大輔氏の場合

先のスケジュールは入れてない。
自分に対する信頼が高まるにつれ、計画は抽象度が高まる。

いまのゴールは「ありつづけたい」。
自由でありつづけたい。
クリエイティブでありつづけたい。
自分らしくありつづけたい。

それさえあれば、道を間違えることはない。

 
(2)フリーアナウンサー・住吉美紀氏の場合

運命論を信じている。
NHKに入社した際、勤務希望地を書く欄に「運命に任せます」と書いた。
きっと運命がいいものを連れてきてくれると思ってた。

その場その場で出逢うものに、オープンでいること。

 
(3) 楠本修二郎氏(カフェ・カンパニー代表)の場合

人は、過去の経験に縛られて判断しがち。
過去の叡智(wisdom)や常識(common sense)に縛られている。
でも、未来は変わっていくもの。

 
(4)原丈人氏の場合

物事を全て数値化しようとする流れが、叡智を隠してしまった。
数値化することにより、「手段と目的」の逆転が生じてしまう。

 
(5) ジョン・キム氏の場合

いま計画することは、未来の「より成長している自分」を束縛する行為。

人生は軌道修正の勝負。
選択は1回では終わらない。
一直線ではなくても、方向さえ間違わなければ目的地に着く。
振り返ってみると、すべてつながっている。

 
「5年後、10年後にどうなっていたいか?」という目標に向かって進んでいたら、もしかしたらもっとほかの道もあったかもしれないのに、未来の自分の可能性を狭めてしまうこともあるかもしれません。目標や計画を立てたとしても、そのときどきで心の声に従って道を見直したり、本来の本質的な目指すところを見失わないようにしたいものです。



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